損傷が著しい歯に陶材や金属の冠を被せ、本来の形、働き、そして美しさを取り戻すのがクラウン治療。
ブリッジとは、なくした歯の両隣の歯に冠を被せ、その間の欠損部に人工歯を橋のように吊り支え、強度を増すことです。この冠(クラウン)と橋渡し(ブリッジ)を組み合わせた治療法をクラウン&ブリッジと呼びます。
単独の虫歯治療のためにクラウン治療が選択されるのは、歯冠部の損傷が進んだ場合です。
歯の表面を薄く削り整えた後、クラウンでぴったりと隙間なく覆います。
そして、咀嚼などに耐えられる強度を与え守り、虫歯に侵食される以前の形や美しさを取り戻します。
一方、失われた歯の機能回復にはクラウン&ブリッジの組み合わせが多く選択されます。
損失歯のかわりとなる人工歯を、クラウンで覆った両側2本に歯で橋のように支えるシステムの強度の高さは、建築物として想像してみても明快でしょう。
クラウン&ブリッジは、高血圧、糖尿病などのリスクファクターを持った方、年齢を重ねた方にも安心して受けていただける補綴(修復)治療のひとつです。
歯周病、重い虫歯や外傷などさまざまな理由で歯を失った場合、今日では第一選択肢と考えられる治療法のひとつです。
インプラントとは歯の代わりに顎の骨に埋め込む人工歯根のこと。
隣の歯を削る必要がなく、元の歯と比較しても機能・美しさの点で引けをとりません。
歯がないことを気にして大きく笑えない、入れ歯が安定しないために会話や食事で不自由がある、そのような状況の改善をお望みでしたら、検討する価値があります。
インプラント治療を受けられるかどうかには、いくつかの条件があります。
人工歯根を埋め込むのに充分な骨量があるか、また、外科手術を伴うことから、糖尿病、高血圧などの全身的リスクファクターがないかを、それぞれの専門医がチェックした上で治療計画を立てます。
インプラントの埋め込みを行ってから上顎で6か月、下顎で4か月ほどで、人工歯を連結することができます。
正しいトレーニングを受けた専門医の歯科医によって受けられるインプラント治療は結果・予後が非常に良く、何よりも歯と一緒になくしてしまったあなた自身の自信を回復することが可能です。
歯周病治療では、その最大の原因である粘着性の細菌性プラークを可能な限り除去して、その進行をコントロールしていきます。歯周病治療は細菌感染治療ですから、その進行度合いに応じて非外科的なアプローチを試みてから外科的なステップに治療を進めてゆきます。
どの段階の患者さんにも有効なのがスケーリング・ルートプレーニングです。
歯周炎によって深くなった歯周ポケットの内側の歯根表面に堆積したプラーク・歯石・最近の作る毒素を除去して表面を滑沢にします。さらに必要に応じて局所的に抗生剤を使うこともあります。
多くの場合は、これらの処置で歯周組織の健康が取り戻せますが、さらに症状が進んでいる場合は、ポケットリダクション術という、外科的な処置を行う場合もあります。
歯牙の周囲の歯茎を小さく切開し、根面に沈着した細菌性プラークを肉眼で確認しながら清掃します。
歯茎が清掃しやすいような形で治癒するように、蝕まれた不整な歯槽骨の形を整えてから、深い歯周ポケットをなくす形で歯茎を閉じます。
病状によってさらに大がかりな手術を行うことになりますが、最終的には抜歯するしかなくなる場合もあります。
そうならないためにも、処置を受けた後、引き続き定期的な形でのメンテナンスを受けていただくことが不可欠になります。歯周病治療は、患者さんと医師が二人三脚で行って初めて効果のある治療と言えるでしょう。
歯を失うと、噛めない・空気が漏れてうまく発音ができないといった、さまざまな問題が出てきます。
また歯肉や歯槽骨は、歯をなくすことにより、しだいに退行、萎縮し、不正咬合にますます拍車をかけます。
ぴったりと合った義歯をつけていただくことで、失った歯と歯肉のボリュームを補い、その方本来のボディイメージに近い口腔を再現し、正しい咬合、咀嚼、発音を取り戻します。
義歯には、1本も歯がない方のための「全部床義歯(総入れ歯)」と、1本以上歯がある方の「局部床義歯(部分入れ歯)」があります。
これは、欠損歯の数が多い方や高血圧・糖尿病などのリスクファクターを抱える方、歯槽骨が大きく失われた方などにも安心して受けていただける治療です。口腔内は時間の経過とともに変化するため、義歯の適合度も時間とともに変化します。
当医院では完成度の高い義歯を作るだけでなく、「常にきちんと噛める、痛くない口腔」をキープしていただくために、
治療がいったん終了した後の定期的なフォローアップを実践しています。
歯内療法とも呼ばれる根管治療は、虫歯に侵された歯を、抜いてしまうことなく、できるだけ長く保つことを目的とした治療です。大きく分けて抜髄処置と感染根管処置とに分かれます。
抜髄処置とは、何らかの理由により歯の神経(歯髄)に炎症が生じ、我慢出来ない痛みを起こした場合に、その神経を切断して抜く処置のことをいいます。
これに対して感染根管処置とは、歯の根の先に感染が及んだ場合に、その病巣を消毒剤によって治療することをいいます。共に、無菌的な環境で神経の入っている管(根管)を機械を使って広げていき、そこに代替物を隙間なく充填することが重要です。
当院では、完全に滅菌された器具の使用、また患者さんにも感染予防としてゴム製のマスクを装着していただく等、完全な無菌的治療システムを徹底しております。また、複雑で立体的な構造の根管を的確に治療するために、正確なレントゲン撮影に加え、マイクロスコープを使用しています。義歯やインプラントはすばらしい修復治療ですが、天然の歯に勝る機能・審美性は備わっていません。
我々が、できるだけ患者さんの歯を1本でも多く残そうとするのは、そのためなのです。
「自分の歯で一生噛む」ことを理想と目標にするならば、長いスパンで口腔の健康をプランニングすることが大切です。それぞれの歯や歯茎の状態を単独で改善してゆくだけでなく、口腔全体の設計を決め、理想的な咬合と歯列を実現させるのが咬合・矯正治療です。顔面・口腔の写真、歯列の模型、頭蓋顔面と歯列のレントゲン写真などをもとに、咬み合わせや歯列の不具合を、矯正装置で少しずつ理想的な形態・機能に回復していきます。
成人が矯正治療をするメリットは多岐にわたります。きれいな歯並びは、プラークコントロールのしやすい環境を与え、自宅での毎日のお手入れを容易にします。
また、理想的な咬合は、歯、顎関節、筋肉の力学的負担の軽減につながり、歯牙のすり減りや顎の不具合などから口腔を守ります。
また、正しく整えられた口腔は美しい口元の表現を自然に生み出し、それはその方の社会的レベルを語るメジャーにもなり得ます。これらのメリットを冷静に考えると3年~5年という治療年月は非常に有意義な自己投資と言えます。
美しい口腔には、一定の望ましいバランスがあります。歯の色調、歯の大きさ、歯列の高さや、笑ったときの歯ぐきの見えかたなどが、その基準を大きくはずれると、お顔の印象に影響が出ることがあり、何よりもご本人が気にして、自信をなくしがちです。日常のお手入れや通常治療などでは改善が望めない場合、その方の希望をもとに審美治療の可能性を探ります。
なかでも多いのは、「歯を白くしたい」というリクエストです。食べ物やたばこなどによる色素付着には、機器を用いたクリーニング。歯の内部にまで沈着した色素にはブリーチング(漂白法)。病気や薬の副作用により変色した重症のケースには、歯の表面に薄い陶器をぴったりと貼り付ける「ラミネートベニア」等をほどこし、歯の美しく健康的な外観を回復します。
また、歯の形や大きさの補正、歯ぐきのバランスを整えるなど、歯そのものはもちろんのこと、歯肉に対する審美治療への対応も万全です。藤本歯科医院の審美治療は、写真やイラスト、ステント(試着用仮歯)などを駆使した具体的かつ丁寧なカウンセリングを通して、その方にもっとも適した治療をいたします。
各専門医により、審美的条件のみならず、機能的且つ物理的条件を満たす最高のクオリティーを誇っています。
クラウンやインプラントといった、アクティブな治療が終わった後は、どのような管理が理想的なのでしょうか。健康な身体を保つための人間ドックがあるように、美しく健やかな口元を維持するために不可欠なのがメンテナンスです。将来、再び問題を抱えてからクリニックに飛び込むのではなく、1年に2回程度の綿密なドクターチェックを受け、完璧な口腔状態を保ち続ける積極的な姿勢こそ、医師が患者さんに望む理想の姿です。
歯科=ドリルのある部屋、この意識を先ず捨ててください。当院では、機能回復治療や感染治療が終了した方、積極的なオーラルケアを実践する意識の高い方々をお迎えする部屋では、ドリルを使うことがありません。
通常のメンテナンスでの処置内容は、以下の通りです。
- 健康状態のアップデート ・X線により診査
- 歯周病の診査を含む口腔内診査
- 口腔清掃の評価・指導
- スケーリング・ルートプレーニング、歯牙の研磨
特別な自覚症状がない時にわざわざ予約を取って来院するのは面倒だと感じられるかもしれません。ですが、半年に一度のメンテナンスにより、口腔トラブルを未然に防ぎながら完璧な口腔状態を維持すること、それは実はとてもスマートで無駄のない歯科医院の利用方法です。その計り知れない価値は、当院のメンテナンス予約が社会的なエリート層で占められていることで証明されています。藤本歯科医院ではメンテナンスを確実に習慣づけていただくための定期的な呼びかけ「リコールシステム」を実践しています。